品龍寺ブログ

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墓じまいとは、今あるお墓のご遺骨を新しい場所に移し、お墓を撤去して更地に戻し、

必要があれば墓地管理者にお返しすることをいいます。

最近は、お墓を守っていく人がいないため、郊外にあるお墓を墓じまいして、

今住んでいる近くにお墓を新たに建てる人や、遺骨を合同墓(永代供養墓)などに移す人が増えています。

 

品龍寺に相談に来られるかたのほとんどが

・長い間受け継がれてきた先祖のお墓を無縁にしたくない

・お墓を建てたいけれど、予算や後継ぎ問題が心配

・遠方のためお墓参りが大変

ということで悩まれています。

 

先日、珍しいケースの墓じまいがありました。

品龍寺の境内墓地にあるお墓の墓じまいをして、同じく品龍寺境内の合同墓に

納骨された方がおられました。

これまで先祖代々守ってきた大切なお墓ですが、お墓にお参りする人がいなくなったこと

などのやむを得ない事情で、墓じまいの相談に来られていました。

品龍寺の境内墓地にお墓があったため品龍寺の合同墓には無償で納骨させていただくことになり、

「長年お世話になりました」と永代経懇志をお納めくださいました。

墓じまいをされた後は、本当に安心された様子でこちらまで肩の荷が下りたような

気分になりました。

品龍寺の合同墓に納骨させていただきましたが、お花がいっぱいお供えされた

合同墓の様子を見て「ここなら粗末にならないし、寂しくないな」とおっしゃってくださいました。

 

また昨日は、山の上にあるお墓を墓じまいして品龍寺の境内墓地に改葬(引っ越し)したい

という方も来られました。広島市内中心部の平地の墓地(出来れば寺町の墓地)で、

続きの二区画を希望されておられ、偶然、続きの二区画が空いていたことから即決されました。

「歴史ある一等地の寺町で二区画空いているとは」と喜ばれ周辺の環境も気に入ってくださいました。

 

最近は毎日のように「墓じまい」の相談が増えてきましたので、

今回は改めて、墓じまいの流れやそれにかかる費用などを中心にご説明します。

 

 

  

墓じまいの流れ

 

①親族の同意を得る 

 墓じまいをする際は、必ずご家族の同意を得るようにしましょう。

 一人では決めず家族・親族の同意を得ることがもっとも大切です。

②改葬先(お墓の引越先)を選定する

 今あるお墓をどうするのかによっても変わりますが、墓地・霊園、納骨堂、合同墓(永代供養墓)

 樹木葬、散骨、手元供養などさまざまな納骨方法があります。

③既存のお墓の管理者へ相談・報告

 親族の同意を得ることができたら、現在のお墓がある寺院または霊園に墓じまいをする旨を

 伝えるようにしましょう。

 前もって墓じまいをする意向があることを相談しておくとよりスムーズです。

④石材店を選ぶ

 お墓を解体する(新たにお墓を建てる場合の)石材店を選びます。

 寺院や霊園によっては指定の石材店がありますが、指定の石材店が無い場合は

 複数の石材店から見積もりを出してもらったほうがよいでしょう。

⑤行政手続き

 管理者に相談する際に必要な手続きを確認しましょう。

 墓じまいをするには、改葬許可申請をして現在のお墓がある市区町村役場から

 改葬許可証を発行してもらう必要があります。

⑥お墓の撤去作業

 墓石の解体を依頼する石材店が決定したら、実際にお墓の撤去作業を行います。

 ご遺骨を取りだす僧侶に遷仏法要(せんぶつほうよう・読経)をお願いします。

 性根抜きや、閉眼供養をする宗派もありますが、

 浄土真宗では亡くなられた方は、極楽浄土に往生し仏さまとなっておられますので、

 お墓から魂を抜くことはありません。

 ご遺骨を取り出したあとは、墓石を撤去するだけでなく、お墓を更地にし、

 お墓を建てた土地の永代使用権をお返しします。

⑦改葬先へご遺骨を移す

 取り出したご遺骨を新たな受け入れ先へ納骨して、僧侶に納骨法要をお願いします。

 

 

 

墓じまいにかかる費用

 

 

①お墓の撤去費用(石材店)

お墓を撤去して更地に戻す費用です。

お墓の立地や状況によって違いますが、一般的なお墓の場合10万円から20万円程度が相場です。

「区画の広さ」「立地条件」「撤去した後の墓石をどうするか」によっても変わってきます。

 

②寺院へのお布施(離壇料が必要な場合も)

遷仏法要や納骨法要のお布施。お寺との関係性などにもよりますが、数千円から数万円程度が相場です。

※離壇料が必要な場合もあります

檀家としてお寺にお墓を管理してもらっていた場合、墓じまいとともに檀家を抜ける

(離檀する)ことが多いです。このときに「今までお世話になりました」という意味で

お寺に支払うお金が離檀料です。

離壇料は不要の場合もありますが、その場合は永代経懇志を納めることもあります。

品龍寺でも境内墓地を墓じまいをして、遠方へ引っ越される方もありますが、

離壇料を請求したことは一度もありません。

「いままで先祖がお世話になってきた感謝として最後にお布施をする」

という形でお布施をいただくこともあります。

 

 

 

 

墓じまいの際の主な改葬先

 

 

墓地・霊園

お寺の境内にある墓地や民間の霊園、公営の霊園があります。

寺院墓地は交通の便が良いところが多く、本堂での法事も行えたり仏事に関することは

すべてお任せすることができます。

 

霊園は、僧侶への読経の依頼や場所はご自身で手配しなければなりませんが、

費用が安いため多くの方が利用することができます。

 

合同墓(永代供養墓)

合同墓(永代供養墓)は、寺院や霊園が永代に渡り預かってくれるお墓のことです。

なかには、永代といいながら、13回忌まで個別保管をし、そのあとは他の方のお骨と

合葬(合祀)されるということもありますので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

 

納骨堂

納骨堂は、個人や家族単位で遺骨を納めることができるお墓のことです。

納骨堂は室内にあることが多く、ロッカー式のものや、機械式のもの、納骨堂の建物の中に

墓石を建てるものなどいろいろな種類があります。

雨でもお参り出来たり、管理も簡単で人気ですが、納骨できる人数には制限があります。

 

 

樹木葬

樹木葬とは、お墓ではなく木の下にご遺骨を埋葬する方法のことです。

 

 

お墓(改葬先)を選ぶ前に

最近では、かなり安い金額で宣伝している民間企業が増えてきました。

格安の料金は魅力的ではありますが、納骨スペースを確保するため

大切なお骨を粉々にして合葬(合祀)していたり、粗末な納骨方法や法要であったり、

ご遺骨の扱い方がぞんざいんな場合もあります。

乱暴な言い方ですが、納骨ビジネスのようなところも多く見受けられます。

 

価格はもちろん大事ですがそれよりも、誠実で安心できる所にお任せして

大切に預かってもらえる事も大切なことだと思います。

品龍寺でも「故人を思う気持ち」を大切にしており、

「全く気持ちの無い方」の納骨はお断りすることもあります。

 

お墓を選ぶ際は、故人の思い、金額、立地、周辺の環境や住職・霊園管理者の人柄など

しっかりと見極めて納得したうえで決めてください。

 

 

 

 

墓じまいのトラブル事例

 

 

広島で墓じまいをする際によく聞くトラブルの一例を紹介いたします。

 

・親族の合意を得ずに墓じまいをしてしまい後から親族間でトラブルになってしまった。

 

・墓じまいをした後に、なぜ墓じまいをしたのか、お墓を残しておいてほしかったと言われ

 焦りすぎたと後悔した。

 

・お寺から高額な離壇料を請求された。

 

・石材店に見積もりよりも高額な費用を請求された

 お墓が山の中にあったり、トラックが入れない狭い場所では人力で行わなければならず、

 費用も高くなります。

 

 

 

トラブルを防ぐためには

 

 

上に紹介したように、親族間や寺院、石材店などとトラブルが起こる可能性があります。

トラブルを避けるためには、事前の情報収集が重要です。

お寺や石材店などに相談して、墓じまいの流れやどのぐらいの費用がかかるのか

しっかりと調べておきましょう。

現地確認をして見積りを取ってくれる石材店を選ぶようにするのも大切です。

急がずに慎重に情報収集をしながら行うことが、トラブルを防ぐことにつながります。

 

最後に

 

広島で墓じまいのことで悩まれている方、不安を抱えておられる方がおられましたら、

どんなことでもご相談ください。信頼できる石材店を紹介することも可能です。

品龍寺では、心のこもった、粗末にならない「墓じまい」をお手伝いいたします。