最近、お寺でお墓や永代供養の相談を受けていると、
「子どもに迷惑をかけたくないんです」
この言葉には、
先日、ご夫婦で合同墓の見学に来られた方がおられました。
ご主人は80代、奥様は70代後半。
お子さんは東京と関西に住んでおられ、
「子どもたちは親思いなんです。でも、
そう話される姿が印象に残っています。
今では進学や就職で地元を離れることは珍しくありません。
広島で生まれ育った方のお子さんが、
そのため、
「私たちの代でお墓のことを整理しておきたい」
と考える方が増えています。
昔は親子三世代が近くで暮らし、
しかし現在は家族の形そのものが変化しています。
子どもが遠方に住んでいたり、ご夫婦だけの世帯が増えたり、
そのような時代において、
だからこそ近年は永代供養を選ばれる方が増えているのです。
永代供養墓というと、
「後継者がいない人のお墓」
というイメージを持たれる方もおられます。
しかし実際には、
その理由は、
「子どもに負担を残したくない」
という親心です。
子どもたちに迷惑をかけたくない。
でも、ご先祖さまを大切にしたい。
その両方を叶える方法として永代供養墓を選ばれるのです。

仏教では、物事は常に変化していくものだと教えられています。
家族の形も変わります。
暮らし方も変わります。
お墓との関わり方も変わっていくでしょう。
その変化を否定するのではなく、受け入れていくことも大切です。
お墓の形が変わったとしても、
手を合わせる気持ち。
感謝する気持ち。
亡き人を思い出す気持ち。
それこそが何より大切なのではないでしょうか。
私はこれまで多くのお墓の相談を受けてきました。
しかし実際には、お墓だけの話ではないことがほとんどです。
家族との関係。
将来への不安。
老後の暮らし。
人生の締めくくり方。
そうした思いが重なっていることが多いのです。
だからこそ私は、まずお話を聞くことを大切にしています。
どんなお気持ちなのか。
何が不安なのか。
どんな供養を望まれているのか。
ご家庭によって答えは違います。
お墓のことは、なかなか人に相談しにくいものです。
しかし元気なうちだからこそ考えることができます。
そして家族と話し合う時間もあります。
お墓のこと。
終活のこと。
子どもたちのこと。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
お寺はお墓を売る場所ではなく、
皆さまのお話をお聞かせいただければ幸いです。 合掌
品龍寺住職
猪原慶成