品龍寺ブログ
仏教徒の節分の過ごし方(2021年2月2日)

 

 

 

 

早いもので、もう1月が終わりました。

 

ついこの前、新年を迎えたと思っていたのにもう2月です。

 

昔から「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」と言われましたが、

 

本当に月日が過ぎるのが早い気がします。

 

 

そしてびっくりすることに今日は節分なんですね。

 

過去の記事 節分に思う「鬼はどこにいるのか?」

 

 

今朝起きた時に子どもに教えられましたが、

 

今年は124年ぶりに2月の2日が節分の日なんだそうです。

 

 

季節の分かれ目の節分、明日は立春と言うこともあり、

 

今朝は冷え込みがゆるみ、春の陽気が感じられるようになりました。

 

昔は節分と言えば「豆まき」で、

 

鬼のお面と豆がセットでコンビニやスーパーでもたくさん置いてありましたが、

 

いつの間にか、節分と言えば「恵方巻き」に変わりましたね。

 

私が小さい頃は恵方巻なんて聞いたこともありませんでしたが、

 

いつしかコンビニのCMで流れるようになってきた記憶があります。

 

 

 

調べてみると、そもそもこの恵方巻きというものが全国区になったのは、

 

1998年にコンビニで売り出したことが由来のようです。

 

そこから全国にひろがり、いまや節分と言えば恵方巻きと、

 

まるで昔からある文化のことのごとく定着するようになりました。

 

たった10数年で昔からある習慣のごとく全国に広めた

 

コンビニのマーケティングに改めて驚かされました。

 

 

 

 

 

この「恵方巻き」、

 

「恵方」とは、「幸せが訪れる、縁起のよい方向」

 

と言われていますが、

 

仏教ではそのような「恵方」はないと、お釈迦さまは教えられています。

 

当然、浄土真宗でも「恵方」ということはいいません。

 

浄土真宗を開かれた親鸞聖人も

 

 

かなしきかなや道俗の良時吉日えらばしめ

 

  天神地祗をあがめつつ 卜占祭祀つとめとす

                                     「正像末和讃」 親鸞聖人

 

と言われたように、

 

当時の人々が、日時の善悪や吉凶、占いなどの迷信に囚われ、

 

縛られた生活をしていることを悲しんでおられます。

 

 

 

 

大きなお寺で豆まきするところもありますが、

 

節分は陰陽道などの中国に由来があり、仏教とは関係はありません。

 

否定的な意見ばかり書きましたが、

 

何も豆撒きはダメ!

 

恵方巻は食べちゃダメ!

 

と言いたいのではありません。

 

我が家では毎年、自分のなかにひそむ鬼を見つめ追い出せるようにと

 

全員が鬼役になりイベントとして楽しんでいます。

 

子どもたちは巻きずしが大好きで、唯一、

 

丸かじりしても怒られない日ということもあり、

 

海鮮の恵方巻をいただいています。

 

子どもにとって恵方なんて全く関係ありません!

 

黙って無言で食べないといけないらしいですが、

 

喜んで、はしゃぎながら食べています。

 

でもそれでいいんです。

 

私たちの幸不幸は、恵方によって決まるのではなく、

 

自分の行いや心持ちによって決まります。

 

日の善し悪しや方角で決まるものではありませんので、

 

恵方にこだわらず、みんなで楽しめる行事として楽しめたらいいのではないでしょうか。

 

鬼もそうですが、今年はコロナ退散を願って楽しみたいと思います。