今年のお盆は例年とは全く違ったと前回のブログで書きましたが、
もうひとつ決定的に違うことがありました。
500年以上の長い品龍寺の歴史の中で初めて、オンライン法要を行ったことです。
住職である父も、入院中の母も本当に無事に通信できるのか、何回も
「本当に大丈夫なのか?」と確認し、期待と不安でソワソワとした様子でした。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が叫ばれる中、亡き人を弔うために葬儀場やお寺にお参りすることを躊躇し、
参列すべきかどうか悩まれる人も多いと思います。
愛媛県の葬儀場において参列者の間でクラスターが発生したという事もあり、
お葬式だけでなく法要や行事を中止あるいは延期の措置を余儀なくされているお寺もあります。
そんな中でにわかに注目されだしたのがオンライン法要です。
最近は、築地本願寺オンライン法要が話題になったり、
全国各地のさまざまな寺院でオンライン法要が普及しだしました。
品龍寺でも、実際にお寺へお参りするご法事が難しい場合、
インターネットを通じたオンラインでの法要参拝のお申し込みを受付しています。
オンライン法要
記念すべき第一回目のオンライン法要は、突然決まりました。
法事の前に世間話をしていると、
オンラインで東京にいる兄も一緒にお参りしていいかと聞かれ、
急いでセッティングし急遽開催となりました。
聞けば、東京からお父さんのご法事に参拝に来る予定でしたが、
落ち着いたかに見えたコロナウイルス感染拡大がまた拡がりだしたために、
残念ながら参列できなかったそうです。
LINEビデオ通信にて、法事の様子や法話、納骨の様子を通信され、
お父さんを偲び、画面の向こうで涙されていた姿がとても印象的でした。
二度目のオンライン法要は横浜に住む方で、
コロナの影響次第ではオンライン開催も検討していると前々から相談され、
事前に通信テストも行い万全の体制でオンライン法要を開催することができました。
広島に住む親族の方は実際に本堂に参拝され、
横浜に住む親族の方はオンライン法要でお参りされました。
終始和やかなムードで行われ、
私も緊張することなくお勤めすることができました。
法要の後、通信はそのままでオンラインおとき(法要後の食事)をしたいと要望があったので、
おとき中も広島と横浜のご親族がインターネットで繋がりながら楽しくお食事をされていました。
オンライン法要とは
簡単にいうとインターネットを使い離れた場所にいる方とオンラインでつながり、法事などの仏事を行うことです。
品龍寺では、SkypeやLINE、ZOOMなどインターネット電話やビデオチャットサービスを使い
依頼されたかたとお寺の本堂を繋ぐオンライン法要を行っております。
ご法事の内容は実際にお参りされる場合と全く同じです。
通常は本堂正面を映し、読経している後ろ姿やお参りされている方がお焼香されている姿を見てもらいます。
ご自宅にお焼香できるものがあれば一緒にお焼香して頂いています。
読経の後は、向き直り、少し変な感じはしますがカメラのほうを向いてお話させていただいています。
オンライン法要のメリット・デメリット
仕事の都合等でお参り出来くても遠方からオンラインで法事に参加したり、
施設や病院におられる方がスマホやタブレットを通じて法事にお参りできます。
新型コロナウィルス感染の心配も、オンライン法要なら安心しです。
遠方からのお参りの場合、往復の交通費や宿泊費、移動時間も必要になってきますが、
オンライン法要の場合はご自宅にいながらお参りできるので交通費や時間を気にすることもありません。
デメリットをしいて言うならば、やはり現実にその場に立ち会えないということ、
本堂等の荘厳な空機感を味わえないことでしょうか。
現実にはない、お経の声が聞こえにくい等の問題もあるかもしれません。
オンライン法要の流れ
①電話やメールにて事前相談
②通信方法の確認(電話・ZOOM・LINE・Skypeなど)
③事前通信テスト
④当日法事開始前に通信テストを行い法事開始
⑤法要後おときの希望があればオンラインおときも可
オンライン法要のお布施はいくらでも、いつでも結構です。
現金書留や振り込みも可能です。
インターネットが使えない方や通信テストで上手く繋がらない場合は
電話にて音声だけで繋がるという方法もあります。
時代は令和になり、何が変わるのかとおもっていましたが、
本当に時代って変わるものなんですね・・・。
新型コロナウイルスの影響やスマートフォンの普及によって「新しい生活様式」を求められるようになりました。
品龍寺も新しい時代に取り残されないよう、変わるべきところは変わり、
変わらない大切なものは残しつつ、時代に合わせて進化していきたいと思います。
まずは、高性能なマイクとスピーカー、カメラを用意しなくては!!!