品龍寺ブログ

 

昨年の秋から、お参りしやすく「ありがたい」と思ってもらえる

お寺になるため改装工事を行っておりました。

新型コロナウイルスの影響もあって遅れに遅れた工事ですが、

いよいよ大詰めに入ってきました。

残すは品龍寺境内地の緑化計画です。

 

お盆やお彼岸で久しぶりに来られた多くの方には

 

「とても綺麗になりましたね

 

「おしゃれになりましたね」

 

と言っていただけましたが、

私の計画はまだ終わりじゃありませんよ!!

 

 

 

緑豊かなリバーサイド

 

                                                                

品龍寺がある寺町のすぐそばには旧太田川が悠々と流れ、

川岸には沢山の緑があります。

春には桜が咲き誇る桜並木が続き、

広島を代表するアオギリやクスノキ、ケヤキなど、

沢山の樹木があります。

この川と緑こそが、広島のまちの美しい景観をつくり、

うるおいとやすらぎのある快適なまちづくりに

重要な役割を果たしていると思います。

近隣の広島城や平和公園の水辺空間は

もっとも広島らしさを感じる場所でもあります。

そんなうるおいのある緑のまち広島の中心に位置する

お寺ならではの空間を作りたいと以前から考えておりました。

お参りする人が、もっと入りやすく、

使いやすいお寺を目指しています。

そして、お寺にご縁のある人々にうるおいと安らぎを感じてもらい、

寺院としての風格も高められるような、

個性的でこだわりをもった境内地にして、

リバーサイドのお寺ならではの景観にしたい

という思いを強く持っていました。

 

 

 

 

品龍寺緑化計画の概要

 

 

建物はモダンでシンプルな建築となりましたが、

それをさらに引き立たせるのは植栽だと思っています。

植栽とは、簡単に言うと

「建物の周りに植えられた樹木や草花」のことです。

目隠しや仕切りとしての生垣を植えたり、

お寺の正面にはシンボルツリーを植え、

そのシンボルツリーを補い、

バランスをとるように他の木や低木を組み合わせ、

改装された外観の美しさを

さらに引き立たせたいという計画です。

 

みなさまがお寺にお参りするときは、

春のお彼岸、お盆、秋のお彼岸、年末年始と

四季折々様々な場面があります。

お寺にお参りするときにも四季を感じていただけるような

植栽を目指しています。

春には芽吹き、夏には緑が茂り、秋には紅葉し、冬には落葉

となるような季節の移ろいを感じられるようお寺が理想です。

 

 

 

 

 

こだわりの植物

 

 

今回、品龍寺の植栽に選んだものは、一見普通の植物に見えて、

実はこだわりが垣間見えるようなセレクトを植栽業者さんにお願いしました。

 

お寺の顔となる正面には、品龍寺の看板がある場所です。

目を引く場所になるためインパクトのある植物を植えてもらいます。

合同墓横のインドボダイジュの木とともに、

品龍寺のシンボルツリーとして選んだのは、

広島ではほぼ見ることのない、

司シルエットという木です。

大木になるような木ではなく、

生長が遅いためにその分寿命の長い木です。

司シルエットは、カエデとは言え、縦に細長い、

非常にシンプルな樹形で、四季折々の表情が楽しめます。

紅葉するので葉が落ちた冬場は少し寂しい雰囲気になりますが、

その分季節感も強く感じることができるのも魅力の1つだと思います。

 

かなりセンス良く仕上がったほっこりする水場へと向かう

境内墓地横の通路には、金明孟宗竹を植えます。

金明孟宗竹は、シンプルではありますが、

よく見るととても美しい幹を持つ植物です。

建物の邪魔をせず、かつセンスの良い植物で、

美術館やホテルなどによく使われているそうです。

 

竹の前と境内墓地への入口には、

入口からの結界のような境界線となる生垣に、

ドウダンツツジを植えます。

ドウダンツツジは、生垣としてポピュラーなものですが、

枝葉が詰まる性質があるので、箱のような生垣ができます。

現代建築との相性が良いそうです。

 

京都の庭園などでは、植物は控え目に、

しかしこだわりあるものをシンプルに配植されることが多いそうです。

剪定という手間はかかりますが、

しっかりと手をかければかけるほど

美しい生垣になるそうなので

大切に育てていきたいと思います。

 

10月末、永代経・報恩講のころには

植栽も完了していると思いますので

楽しみにしておいてくださいね。