品龍寺ブログ

 

先日、寺町品龍寺にて永代経法要(えいたいぎょうほうよう)をお勤めしました。

お参りの方の中には「どんな法要なの?」「永代供養とは違うの?」

と言う方もおられましたので、今回は永代経と永代供養について分かりやすく解説します。

 

 

 

永代経

 

5/25、トランプ大統領がメラニア夫人とともに令和改元後初の国賓として来日される頃、

広島寺町の品龍寺では永代経法要をお勤めしました。

5月というのに真夏日となった中でも、50人ほどがお参りくださいました。

中には、新しく合同墓に納骨されたご縁の方も来られ、本堂はお参りの方でいっぱいになりました。

 

 

合同墓前での追悼法要の様子

 

永代経法要の前には合同墓にて追悼法要をお勤めし、多くの方がお参りくださり、

お焼香の長い列が出来ました。合同墓の前で汗をかきながら読経していると、

「住職・副住職に倒れられては困る」と、後ろからそっと日傘をさしてくださる方がおられ大変ありがたく、

申し訳なく思いました。永代経では阿弥陀経をお勤めしその後の法話では、仏教についてお話をしました。

諸行無常、因果、四苦八苦など仏教の言葉を例えやゲームをまじえてお話させていただきました。

 

「初めて法話を聞きましたがすごく分かりやすかった」

 

「まさに自分のことだと思い、涙が出そうになった」

 

と声をかけてもらい、大変嬉しく思いました。

 

 

 

永代経とは?

 

 

広島だけではなく全国の浄土真宗寺院では永代経法要というものがあります。

浄土真宗の寺院にとって大切な法要で、年に1回、もしくは2回お勤めされるお寺が多いようです。

 「永代」とつくので、永代供養と思われている方も多いですが、実はそうではありません。

永代経とは「永代読経」ともいい、未来永劫(永代)にわたって、仏さまの教えが子や孫の代にわたって

続くこと、お寺やお念仏の教えが続いていくことを願うための法要です。

亡き人やご先祖に「ありがとう」と感謝しつつ、大切に永代経をお勤めし、

仏さまの教えを少しでも聞かせてもらい、そのお心をいただいて参りましょうという法要です。

 

 

永代供養とは?

 

一般的に「永代供養」とは、お墓を守る人がいない方に代わって、寺院や霊園が管理をしてくれることを言います。また寺院の場合は故人の供養のための法要を寺院が行ってくれるというところもあります。永代供養といってもしっかりと定義されていなくて、中には「永代」といっても未来永劫という意味ではなく、7回忌や13回忌までと期間が定められているところもあります。また毎日読経をされているところもあれば、お経は全く読みませんというところもあります。

 

 

あやふやな永代供養

 

実際に私が聞くところによると、

「永代供養付きと書いてあったが13回忌を過ぎたら他の方のご遺骨と一緒にすると言われた」

 

「つい最近に出来た民間の霊園が永代供養と言っても、歴史がないため、

 本当に永代にわたり管理されるのか、そもそもその会社自体が存続できるのか疑問だ」

 

「永代供養と言えば毎日読経されてそうなイメージをもっていたがどうも1年に1回だけらしい」

というような自分の思っていることとは違いあまり信用できないという意見が多数あります。永代供養と書いてあるけどどういうことなのか事前にしっかりと確認しておきたいですね。

 

 

 

浄土真宗の永代供養

 

当院を含め浄土真宗寺院では、便宜上、「永代供養」や「永代供養型」と言っていますが、

実は浄土真宗では「永代供養」という呼び方はしません。

永代供養は、亡くなった人の成仏や冥福を祈るために残された遺族が行うことと知られていますが、

実はそれ自体が浄土真宗の教義にはありません。

なぜなら、浄土真宗の教えでは、人は命終わると同時に、極楽浄土に往き仏さまとして生まれる(往生)から

です。今は亡き大切な方は、極楽浄土で私たちを導き見守ってくれる仏さまになっておられます。

自分の命もどうにも出来ない無力な私たちが追善供養をして故人を成仏させるなんてことは出来ないし、

する必要もないという教えです。

 

浄土真宗寺院で永代供養墓と言っているのは、あくまで一般の人が分かりやすいように使っている

というのが本当です。

 

 

永代供養が無い浄土真宗は何をするのか

 

だからと言って浄土真宗のお寺では永代に渡り、亡きかたを偲んだり、弔わないのかというと

そんなことはありません。法要の時など定期的に、あるいは毎日読経されているところもあります。

またお花を替えたり掃除をしたり、しっかりと管理もされています。

 

浄土真宗寺院では教義上「永代供養」という言葉は使いませんが、していることは他の宗派のお寺と

あまり変わりありませんのでご安心ください。

 

品龍寺の場合

品龍寺でも毎日、読経・花替え・掃除もしていますし、今回のように定期的に追悼法要をお勤めしています。

7回忌や13回忌で合祀(他の方のご遺骨と一緒にする)することもなく、永代にわたりお寺が責任を持って

お預かりします。

 

 

【まとめ】

今回はよく似た言葉「永代経」と「永代供養」についてお話いたしました。

永代経はお寺や仏さまの教えが永代に渡り続いていくことを願うための法要

永代供養は一般的に寺院や霊園が永代に渡り管理や読経を行うこと

ということが再確認いただけたかと思います。

みなさまも亡くなられた方を偲び、その方をご縁として永代経にお参りし、仏さまの教えを

聞かれてみてはいかがでしょうか?仏さまの教えは人生を力強く生き抜くための指針となります。

教えを聞いていく中で、きっと永代にわたり安心されることと思います。

お寺にお参りし、一日一日感謝の心で丁寧に生きることを心がけてほしいと願います。

 このほか、永代経のこと、永代供養のことでわからないことがありましたらどんなことでも気軽に

お問合せくださいね。