品龍寺ブログ

今回はよく似た言葉、永代供養、永代使用

永代経について解説いたします。 

 

 

永代供養とは

 

最近良く聞くようになってきた「永代供養」という言葉。

いったいどういう意味なのでしょうか?

一般的に「永代供養」とは、お墓を守る人がいない方に代わって、

寺院や霊園が管理をしてくれることを言います。

「永代」といっても未来永劫という意味ではなく、

ある程度の期間が定められているところもあります。

多くの霊園や寺院では33回忌までということが多いです。

事前にしっかり確認したいところです。

 

永代使用とは

 

「永代供養」と似たような言葉で、「永代使用」という言葉があります。

「永代使用料」はお墓を建てる土地を代々使用する権利を得るために支払う料金で、

寺院や霊園など、墓地の所有者に支払うお金のことを言います。

実際に土地の所有権を持つわけではなく、その区画を永久的に使う権利である

「永代使用権」を得ることをわかりやすく「お墓(墓地)を買う」と言っています。

 

 

浄土真宗では永代供養と言わない

 

当院を含め浄土真宗寺院では、便宜上、「永代供養」と言っていますが、

実は浄土真宗では「永代供養」という呼び方はしません。

永代供養とは、亡くなった人の成仏や冥福を祈るために子孫たちが

行うことと知られていますが、実はそれ自体が浄土真宗の教義にはありません。

なぜなら、浄土真宗の教えでは、人は命終わると同時に、

極楽浄土に往き仏さまとして生まれる(往生)からです。

 

浄土真宗のお寺で永代供養墓と言っているのは、

あくまで一般の人が分かりやすいように使っているというのが本当です。

 では、浄土真宗のお寺では永代に渡り、亡きかたを偲んだり、

弔わないのかというとそんなことはありません。

法要の時など定期的に、あるいは毎日読経されているところもあります。

またお花を替えたり掃除をしたり、しっかりと管理もされています。

浄土真宗寺院では「永代供養」という言葉は使いませんが、

していることは他の宗派と変わりありませんのでご安心ください。

 

 永代経とは?

 

浄土真宗のお寺では永代経法要というものがあります。

「永代」とつくので、永代供養と思われている方も多いですが、実はそうではありません。

永代経とは「永代読経」ともいい、未来永劫(永代)にわたって、

仏さまの教えが子や孫の代にわたって続くこと、お寺やお念仏の教えが続いていくことを願うための法要です。

 

以前こんな話を聞いたことがあります。

 「本堂の壁や柱には、お念仏を喜ばれた、懐かしい人たちの声が染み込んでいて、

  私たちに仏さまの教えを聞いてくれと呼びかけている。

  亡き人が、またご先祖が用意してくれたこの本堂に座り、

  仏さまの教えを聞くことは本当に尊くありがたい」

 亡き人のためにお参りすると思いがちですが、亡き人が仏さまとなって、

先回りをして、私をお寺へ、そして本堂へと導いてくれているともいえます。

長い間、代々伝えられたお念仏の道を、私も歩み、また途切れることなく、

お念仏を申し伝える。この尊いご縁をいただくのが、永代経です。

亡き人やご先祖に「ありがとう」と感謝しつつ、大切に永代経をお勤めし、

仏さまの教えを少しでも聞かせてもらうご縁にさせてもらうことが永代経の大切な意味です。