先日幕を閉じた東京オリンピックの余韻がまだ残っている中、
これからは、お盆の時期を迎えます。
品龍寺では8月14日10時より本堂にてお盆の法要をお勤めいたします。
新型コロナウイルスの感染爆発の中でお盆を迎え、人流の拡大が懸念されていますが、
お寺では、新たに新型コロナウイルス対策として新型の空気清浄機も設置し、
新型コロナウイルス感染対策をしながら丁寧にお勤めさせていただきます。
法要後は仏さまのお話をさせていただき、最後には合同墓の前で読経もさせていただく予定です。
日本の夏の風物詩になっておりますお盆ですが、どのような意義があるのでしょうか。
人によってさまざまな受け止め方がありますが、なんとなく「ご先祖様があの世から帰ってくる日」という事になっているのではないかと思います。
「お盆」というと、一般的には、ご先祖様が迷わないように迎え火を用意したり、
またお戻りの際は送り火や精霊流しをするイメージを持たれています。
確かに、お盆に亡くなった方が帰ってくるという受け止めは、とても有り難く大切なものだと思います。
しかし、浄土真宗では、先に往かれた方々は阿弥陀仏のはたらきによって仏さまとして極楽浄土に生まれています。
仏さまとなられた方々は、決して私たちと離れる事なく、いつでもどこでもご一緒してくださり見守り続けてくださっています。
なにも、お盆の時期だけ特別に帰ってくるという事ではなく、1年365日24時間ずっとご一緒です。
このことはしっかりと覚えておいて欲しいと思います。
ですから、迎え火やキュウリの馬などを準備する必要は全くなく、送り火や精霊流しも必要ありません。
では、浄土真宗において、お盆をどのように迎えるかと言えば、亡くなったかたを思うことはもちろん、
いつかはこの私自身も死んで行かねばならない身であるということ、
そしてお浄土で懐かしい方と再び会える世界がある、
死んで終わりじゃないということをしっかり聞かせていただく大切なご縁にしていただきたいものです。
コロナ禍において、親戚同士で集まる機会も減っておりますが、
お盆を通して、生死の問題をしっかりと見つめ直し、
会えなくても、人と人とのつながりを大切にするご縁にしていただきたいと思います。