日毎に寒くなる今日この頃、冬至も過ぎ、早いもので今年も残すところあと一週間となりました。
毎年、この時期になるとこんなにも1年が経つのが早いのかと思います。
12月のことを「お坊さんも走り回る忙しさ」という意味で師走と言いますが、
12月はお寺の法務以外にも、会議や法要などの行事が多く
本当に慌ただしい毎日で気が付いたらもう年末になっております。
今年の世相を表す「今年の漢字」には「金」が選ばれました。
日本漢字能力検定協会によると、応募者が「金」を選んだ理由として
東京五輪で日本人選手が多数の「金」メダルを取ったこと、
大谷翔平選手が大リーグでMVPを獲得など各界で「金」字塔を打ち立てたことなどを列挙されていました。
確かにこの夏、オリンピックは盛り上がって応援しましたが、正直なところ、
1年を振り返ると五輪の印象より圧倒的にコロナの印象が強いため
個人的には「耐」もしくは「輪」じゃないかなと勝手に予想していました。
「輪」なら五輪の意味のほか、コロナ禍で人々の輪がなくなる一方、
最近では感染者数が減って久しぶりに行動する人達が、
改めて人々のふれあいで輪を感じたなどと、選考理由まで考えておりました(笑)
みなさまにとって今年はどんな1年でしたでしょうか?
改めてこの年末に振り返り、漢字一字で表すことも面白いのではないかと思います。
さて、もうすぐ迎えるお正月を、また年末を、浄土真宗の門徒である私たちは、
どのように迎えたらいいのでしょうか。
コロナが落ち着いてきている今だからこそ、久しぶりに家族、親族が集まり、
今年こそはいい年になればと楽しい時間を過ごされることでしょう。
その前に、年末には家の大掃除だけでなく、ご仏壇の大掃除、
お墓の大掃除もおこなっていただきたいと思います。
そして、大晦日には、1年間の感謝をこめて、
家族そろってお墓やご家庭のご仏壇にお参りしていただきたいと思います。
今の私があるのは数えきれないほどの多くの人々、命のおかげです。
私を生かせてくれている全てに感謝することは出来ませんが、
せめて、仏様をはじめ、両親、家族、ご先祖への感謝の気持ちを表しましょう。
なにより仏様の前に座り、静かに手を合わせるだけで気持ちが晴れ晴れしてきます。
大晦日からお正月にかけて、毎年、多くの方が初詣にお出かけになりますが、
圧倒的に神社にお参りされる方が多いようです。
でも本当は、浄土真宗の門徒の方には、
一年の始まりをすがすがしい気持ちでお寺にお参りして欲しいものです。
品龍寺では、お正月に、『元旦会』という法要を勤めています。
当初は、お参りが少なかったのですが、徐々にお参りの方が来られるようになりました。
「初詣は、お寺にお参りする」ということが、少しずつ受け入れられるようになったと感じています。
古来よりの伝統ももちろん大切ですが、
お正月は仏教徒としての自覚を新たに迎えていただきたいものです。
年内のうちに、お仏壇のススやほこりをきれいに払い、おみがきを済ませ、
元旦には、お荘厳をととのえたお仏壇で、すがすがしい気持ちで家族揃って手を合わせます。
そして初参りはお寺へと出かけ、
今年一年も仏さまに照らされながら生かせていただく日々に感謝を込めてお参りさせていただきましょう。
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